TOP >>資料 >>雑誌記事など >>フジテレビができる前のお台場状態のマカオ
このところ日本でも注目を集めつつあるマカオ。たとえて言うなら「フジテレビが出来る直前のお台場」状態だ。フジテレビに相当するのがベネチアンリゾート。建設地であるコタイ地区も、アジアのラスベガスを創るために埋め立てられた新興地区で、お台場と類似する。フジテレビがお台場に移転した97年は日本のバブル後。一方、マカオは、バブルというよりも高度経済成長期の入り口にあることは大きな違いだ。ラスベガスを抜いて世界一の座にあるカジノを中核としたアジアのエンターテイメントの中心地づくりが進む。 いよいよ今年の下半期に開業するベネシアンリゾートは、ジャンボジェットを90機収容できる広さ。ラスベガス・ベネシアンそのままの外観に、同様の全室スイートタイプの3000室の客室、350店以上のショッピングモール、1万平米超のイベント会場が複合する。順調に発展してきたマカオの経済や観光客の伸びは、ベネシアンの開業を機に、一気に加速するといわれている。不動産市場も熱い。 ベネシアン開業後の不動産の値上がりを予想して、売り渋りの動きもでてきた。いま売るよりも、ベネシアン後に値上げして売った方が開発会社の利益は大きいからだ。すでに販売を開始している物件でも、毎月のように値上げされている。その多くは建設前物件だ。 用地確保からマンションの完成までには5年はかかる。外国資本初のサンズ・カジノが開業してマカオの発展がはじまったのは2004年。発展するマカオに見合う品質の高級マンションは、2003年頃以降の設計だから完成予定は早くて2008年。それ以前の物件は、設計が古いと敬遠されがちだ。 マカオには外貨規制もないし、不動産の売却益への課税もない。外国人でも50%までのローンも利用できる。取引は米国ドルと連動する香港ドル建て。外国人投資家にとって嬉しい条件が揃っている。中国のみならず世界中の投資家がマカオの物件に触手をのばす。一方で、そもそも土地が狭くて物件数が少ないうえに、売り渋り傾向。この状況を逆手にとった短期売買も盛んになっている。 1年間で5%から20%の値上がりが続いている上に、建設前物件は、初年度に3割、次年度に2割、引渡時に5割を払うという分割払い。「4000万円の物件を買う」といっても初年度の支出は1200万円。次年度の支払の前に15%増で売れば、600万円の利益となる。投資利益率50%を期待できる仕組みだ。短期投資家は、開発会社の値上げ幅よりは小さな利幅で売るから、中長期の投資家が買い手となる。なにしろ建設前だから転売しても新築物件のままだ。 ところで、マカオの賃貸市場も旧正月が明けてから値上がり傾向が強まっている。物件価格が賃貸利回りを大幅に超えることバブルと定義するなら、今のマカオでは両者の差が縮まりつつある。背景は、高卒のカジノ・ディーラーの月給が30万円という好景気と物件不足。2006年で2200万人に達した観光客は2010年には3600万人ともいわれる。50万人の人口が年に1-2万人増えているとはいえ、好況はしばらく続きそうだ。 フジテレビ開業後のお台場の発展ぶりと投資の集まり具合は、ご存知の通り。ベネシアン開業後のマカオの沸騰ぶりが楽しみである。