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ベネシアン後のマカオ

 ついに香港や深センなどマカオ近隣の個人投資家が、マカオへの不動産投資に動きだしつつある。ラスベガスと同規模のカジノ・ショッピング・エンターテイメント・ホテルの複合巨大リゾート「ベネシアン・マカオ」の開業が8月28日に迫り、「ベネシアン後のマカオ」の姿が容易に想像できるようになったからだ。

 近隣の都市からは「香港の隣の田舎町」としか思われていなかったマカオが、大袈裟な比喩ではなく、事実としてアジアのラスベガスになる。香港で行われてきたギフト・おもちゃショーもマカオで開催されるし、携帯電話関係の国際会議もマカオ。ギャンブラーだけではなく、多くのビジネス客も集う街に変貌する。さらにベネシアンだけで600店舗といわれるショッピング街やラスベガス同様のショービジネスは、多くの観光客もひきつける。

香港島よりも狭い28平方キロの小さな都市が、カジノ収益でラスベガスを抜いただけではなく、本気でアジアのエンターテイメントの中心地になろうとしている。不動産価格が上昇するのは自然の理。もはやマカオは田舎町として見下す相手ではなく、魅力的な投資先なのである。 だいいちマカオは外国人の不動産投資を歓迎している。外貨の持込・持出、不動産の購入・所有・売却の全てについて、外国人への規制は存在しない。売却時の利益も非課税だ。国内不動産の高騰を抑えるために外国人の投資を規制している中国本土とは、前提が異なる。

 建設前の物件の売買が盛んであることもマカオの魅力。2010年に完成予定の4000万円の高級マンションを例に説明しよう。支払方法は、契約から7日以内に400万円、45日以内に400万円、120日以内に400万円、残金2800万円は2010年の完成時に支払うという分割払い。最初の400万円を支払った時点で0.525%の印紙税をマカオ政府に納付する。政府は建設許可の出ていない物件の印紙税は受領しないから、この印紙税の領収書が公的な物件保有(建設前なので正確には予約)の証明書となる。

この領収書を根拠に、建設前の売買が行われる。仮に、1年後に15%増で売れたとしよう。15%というのは、これまでのマカオ不動産の平均的な年間の値上がり率だ。15%増なので利益は600万円。計1200万円の支払済の費用と合わせて、買い手からは1800万円が支払われる。1200万円の投資で600万円の利益を得られるわけだから、投資利益率は50%ということになる。こうした短期売買での利益を狙った投資家も多く、マカオでは物件の販売開始から完成までの数年間で、約3回の転売が発生するといわれている。

 もっとも多数派は不動産投資の王道である中長期の保有。全体的に不動産価格の成長が続いている上に、不動産価格は依然として香港の半分程度と値ごろ感もある。15%成長が5年続けば、資産は倍になるわけで、じっくりと成長を見守る人も多い。

 今後、国際的なイベントやエンターテイメントがマカオで開催されるたびに、マカオの注目度は高まる。そして、不動産に投資する人も増える。需要が増えれば価格が上がる。まさに近隣都市からの投資が増えている背景は、マカオの明るい将来を証拠づける報道の多さにある。現状は「じわり」と上昇している程度だが、香港には「値上がりしているもの、みんなが買っているものに投資する」という加熱型の投資傾向をもつ人々が多いだけに、沸騰するのは時間の問題ともいわれる。今のところ、不動産価格の上昇率は、依然としてGDP成長率(16.6%)を下回っていて、バブルとは呼べない状態。「安く買って、高く売る」という投資の成功鉄則を実現するには絶好の機会といえよう。