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マカオ経済驚異の成長力

賭博場からカジノ・エンターテイメント・リゾートへ

Venetian Macau(ベネシアンマカオ)の開業は、マカオのカジノビジネスの進化を象徴する出来事です。これまでのマカオは、カジノを目的にした観光客が中心の「賭博場」。しかし、これからのマカオはラスベガス同様に、エンターテイメントの中心地として成長します。

MICEという新たな成長モデル

ラスベガスの成功モデルは「MICE」(マイス)というキーワードで語られます。これは、次の単語の頭文字をとったものです。

  • ミーティング(会議)
  • インセンティブ(報償旅行、楽しい出張)
  • コンベンション、コンファレンス(展示会、会議)
  • エンターテイメント(観劇、観戦や観光、ショッピング、美食、スパ)

ラスベガスが大成功をおさめた理由は、これらMICEを充実させたからだと言われています。たしかに、地理的にはラスベガスと同距離(ロスアンジェルスからの距離)にあるネバダ州・リノは、MICEがないために、ラスベガスほどは繁栄していないのです

もちろん商売として収益が大きいのはカジノです。カジノがあるからこそ、(金銭感覚も狂いますので)、ショッピングも繁栄しますし、(時間感覚も狂いますので)、24時間ブレックファスト(朝食)が売れたりするわけです。

ポイントは、いかにしてカジノに客を集めるか。多くの人々が心の奥底では射幸心(ギャンブル好きな心)を持ち合わせています。けれども常識的な社会人には、なかなか自らがギャンブル好きであることを明かせない人が少なくありません。たとえば、あなたが「ギャンブルをやりに、マカオに行ってくる」と家族に言ったらどうなるでしょう。仮にあなたの家族が理解ある人々だとしても、少なからずの人は家族から冷たい視線を浴びることでしょう。

「仕事で」マカオに行くという言い訳

では、あなたの仕事にとって大切な展示会がマカオにあるから「マカオに出張してくる」と言えばどうでしょう。多くの家族が温かく、あなたを送り出してくれるはずです。そして、あなたは、もちろんマカオで、展示会に参加して、一生懸命、仕事をするはずです。でも、24時間仕事? そんなことはないでしょう。夜になればカジノに繰り出すことになるでしょう。これこそ、MICEの妙味。「本来であればカジノに来れない客を、別の理由でカジノに呼ぶ」ためのテクニックなのです。

では、イベント主催者にとってはどうでしょうか。通常、カジノのイベント会場は、一般のイベント会場よりも安く使えます。カジノ側にしてみれば、集客が狙いですから当然のこと。さらに、イベント主催者自身も参加者も、「周囲の目を気にすることなく」夢のカジノ都市マカオに来る理由づけができるのです。

ベネシアンでは、すでに向こう2年間は毎日、何らかのイベントの開催が決まっているといいます。展示会、即売会、勉強会、国際会議・・・。さらにスポーツやショーも多くが開催され、多くの人々がマカオに押し寄せます。

マカオへの滞在日数が3日程度に

現在の「博打場」マカオの滞在日数は1日程度。MICEにより、今後はラスベガス同様の3.6日程度にのびると予想されています。滞在日数がのびることによる経済効果ははかりしれません。カジノ、ショッピング、エンターテイメントなどの観光産業はもとより、その従業員たちの消費も巨大です。

2010年までの必要労働者数は、現人口と同数

ベネシアンだけで労働者数は6万8000人。2010年までに開業する新しいカジノのための新規労働者は50万人が必要と言われています(いずれも24時間営業で3から4交代のため)。マカオは現時点で人口50万人(すでに人口密度は世界最大)ですが、現在の人口に匹敵する労働力が必要なわけです。低賃金の労働者は中国側に住んで通勤することになるでしょう。高所得の人々の住宅需要だけで、十分にマカオ全域の不動産の値上がりが必至だからです。なお、マカオ人の所得は、たとえば18歳の高卒カジノ・ディーラーの初任給が30万円と言われており、世界一高い給与水準になりつつあります。